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【71】村上春樹氏のカタルーニャ国際賞でのスピーチ要旨 esq-Online SYSOP:Yass.M. 11/6/10(金) 17:00 ブックマッチ
【72】Re:村上春樹氏のカタルーニャ国際賞でのスピーチ要旨 ジョンとラボたる2693 11/6/10(金) 17:07
【73】Re:村上春樹氏のカタルーニャ国際賞でのスピーチ要旨 あややん#634 11/6/10(金) 19:21
【74】Re:村上春樹氏のカタルーニャ国際賞でのスピーチ要旨 norico(#1046) 11/6/10(金) 21:45

【71】村上春樹氏のカタルーニャ国際賞でのスピーチ要旨
ブックマッチ  esq-Online SYSOP:Yass.M.  - 11/6/10(金) 17:00 -
http://mainichi.jp/select/world/news/20110610k0000e030063000c.html
今や作家というだけではなく、日本を代表する思想家でもある村上春樹氏が、カタルーニャ国際賞でのスピーチで見事に、現在の日本が置かれている状況、位置、そして将来について語っています。
素晴らしいと思いましたので、ここにリンクし、転載しておきます。

『作家の村上春樹さんがカタルーニャ国際賞の授賞式で行ったスピーチの要旨は次の通り。

 一、東日本大震災で全ての日本人は激しいショックを受けた。今なおたじろぎ、無力感を抱いている。

 一、だが、われわれは精神を再編成し、復興に向けて立ち上がっていくだろう。われわれはそうやって長い歴史を生き抜いてきた。

 一、日本は唯一核爆弾を投下された国だ。放射能が世界や人間の身にどれほど深い傷痕を残すか、われわれは被爆者の犠牲の上に学んだ。

 一、福島第1原発事故は日本人が体験する2度目の大きな核の被害だが、今回は爆弾を落とされたわけではない。自らの手で過ちを犯した。

 一、理由は「効率」だ。原子炉は効率が良い発電システムだと電力会社が主張し、政府も国策として推進した。

 一、地震国の日本は世界第3の原発大国となり、原発に疑問を呈する人には「非現実的な夢想家」というレッテルが貼られた。

 一、だが原発は今、無残な状態に陥った。原発推進派の「現実」とは「便宜」にすぎなかった。論理をすり替えていたのだ。

 一、(福島事故は)すり替えを許してきた日本人の倫理と規範の敗北でもある。われわれは自らも告発しなければならない。

 一、日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。技術力を結集し、持てる英知を結集し、社会資本を注ぎ込み、原発に代わる有効なエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった。それが、広島、長崎の犠牲者に対する、集合的責任の取り方となったはずだ。

 一、損なわれた倫理や規範は簡単に修復できないが、それはわれわれ全員の仕事だ。新しい倫理や規範と、新しい言葉を連結させなくてはならない。

 一、夢を見ることを恐れてはならない。「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追い付かせてはならない。われわれは力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならない。

(バルセロナ共同)』

毎日新聞 2011年6月10日 12時53分
引用なし

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【72】Re:村上春樹氏のカタルーニャ国際賞でのスピーチ要...
 ジョンとラボたる2693  - 11/6/10(金) 17:07 -
読んでいくと元気になれる言葉ですね。
テレビのコメンテーターや湯飲みの中の争いをしていてもこういう気持ちには慣れませんでした。
引用なし

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【73】Re:村上春樹氏のカタルーニャ国際賞でのスピーチ要...
 あややん#634  - 11/6/10(金) 19:21 -
北海道、中国、沖縄を除いて各電力会社が電力不足となる見込みのようで、かつ関西電力の節電要請を受け中枢機関を関西へ移転しようと策定していた企業体はじめ様々な分野で急遽、各種計画見直しに追われることになるでしょう。
そのような中、村上春樹さんは国際的な場でこのように発言されていたたんですね。
リンク先も拝見させていただきます。
引用なし

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【74】Re:村上春樹氏のカタルーニャ国際賞でのスピーチ要...
 norico(#1046)  - 11/6/10(金) 21:45 -
ここまで、日本の現状と、これから日本が抱えるべき課題を的確にまとめた文章は、国内のどのメディアでも目にすることができないですね。

特に、
> 一、日本は唯一核爆弾を投下された国だ。放射能が世界や人間の身にどれほど深い傷痕を残すか、われわれは被爆者の犠牲の上に学んだ。
> 一、福島第1原発事故は日本人が体験する2度目の大きな核の被害だが、今回は爆弾を落とされたわけではない。自らの手で過ちを犯した。
> 一、理由は「効率」だ。原子炉は効率が良い発電システムだと電力会社が主張し、政府も国策として推進した。
> 一、地震国の日本は世界第3の原発大国となり、原発に疑問を呈する人には「非現実的な夢想家」というレッテルが貼られた。
> 一、だが原発は今、無残な状態に陥った。原発推進派の「現実」とは「便宜」にすぎなかった。論理をすり替えていたのだ。
> 一、(福島事故は)すり替えを許してきた日本人の倫理と規範の敗北でもある。われわれは自らも告発しなければならない。

・・・この部分は、様々な方(一般人、専門家、ジャーナリスト、政治家、etc.)が議論しているのにも関わらず、責任を誰かになすりつけたり、問題の中核を巧みにすり替えて結論があやふやな状態になっています。

いろんなことを考えさせられたスピーチでした。

三谷さんが貼ってくださったリンクから、
スピーチの全文(長いので上・下と分かれています)へのリンクが貼られています。お時間のある方は全文読まれることをお勧めします。
引用なし

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