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今日、渋谷にて彼らの唯一の東京公演を見てきました。(具体的な内容に触れているので、名古屋、大阪でこれから見られる方はご注意ください)。
一昔前ならイギリス、もしくはヨーロッパのどこかの国、あるいは日本のバンドでしかあり得ないような空気感を持ったライブで、とてもアメリカのバンドとは思えない雰囲気。つくづく、時代は変わったなぁと思いました。
そもそも、スーツで決めたリーダーでキーボードのグレッグ・カースティンが、見たからにイギリスのプログレバンドにでもいそうな雰囲気で、にこりともせずシニカルに演奏する姿を見ると、この人本当にアメリカ人?って感じ。
ライブのダイナミズムや完成度といった側面でみれば、素晴らしいライブ、と言い切るのは難しいですが、実に彼ららしいディテールに満ちた演奏で、ぼくは十分に楽しめました。
グレッグ・カースティンの弾くコードや音色は、やはりめちゃくちゃぼくの好みに近く、非常に親近感を覚えました。ベビードール(っていうのかな?昔のネグリジェっぽい60's風なコスチューム)で揃えた女性コーラスは、CDで聴けるあの複雑なハーモニーをかなり忠実に再現していて、その面でも驚きました。
でも一番はやはり、キュートでチャーミングなイナラ・ジョージの存在感。
彼女の声は生で聞いても本当に素晴らしく、神様から与えられた良い声を持っている人だと思いました。きっと彼女は、この後もずっと残っていく人でしょう。半分ぐらいの曲でベースを弾きながら歌う、というのも予想外でした。
デビューアルバムと、最新ミニアルバムの曲をほとんど演奏し、その他にTalking HeadsのPsycho Killerのカバーや、バカラック! のサンホセへの道(こっちはもうちょっとひねったアレンジにして欲しかったなぁ)をやったりして、その辺の選曲のセンスもいかにも「らしい」感じ。
イナラが客席に「どこから来たの?」と問いかけたときに、シカゴ、ニュージャージー、なんていう地名が出てきて驚きました。世界各地を追っかけてるのかな? まぁ、そういう感じの熱いファンがつきそうなバンドではあります。
1stアルバムの中でぼくが一番好きな、I'm a Broken Heartをグレッグのキーボードとイナラの歌だけでやったのですが、それがやっぱり一番よかったなぁ。
彼女の声は本当に良いです。
あとは、男女デュオにおける一番の懸念、二人の恋愛関係が終わってしまうと、必然的に解散、ということにならないように、いちファンとしては願うだけです(笑)。
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