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何故今更、と問われれば言葉に詰るしかありませんが、まあ、恐らくは自分の中で何か諦めがついたのだと思います。
遅れ馳せながらのニューアルバムの感想、こちらにも書き込ませていただきます。
ただこの一文は、元々三谷さんへの直接メールに修正を加えた物ですので、掲示板を読まれる方々にはちと読み辛いかも知れず、また常軌を逸した長さですので(これでも大分削ったのですが・…)、ひまで淋しくて泣けてしまいそうな時にでも流し読みしていただく事をお奨め致します。挫折上等ってな姿勢で。(ほら、ここまでで既に長ったらしい(笑))
では。
「Sing―A―Ring」
1、 Sing―A―Ring (A cappella)
esqの音楽の魅力は何かと訊かれれば、私が真っ先に上げる要素である、色彩感と温かさに溢れた曲ですね。
カラオケやら誰某の曲のように機械まかせにせず、1音1音丁寧に声を重ねてあるというのは、こんなに気持ち良いものなんだと再認識できます。
自然に導かれる後半部分の転調も、思わずニヤリとさせられます。
通常新しいアルバムへの「期待感」と言えば、聴きはじめると他の感情に移って行きますが、私はこの曲で期待感が最高潮に達しました。「これから楽しい時間が始るぞ!」
私達にとって、esqのニューアルバムが出る、というのはお祭りに等しいものですしね。こんな感じに煽っていただけるのは嬉しいですね(笑)。先ずは「Hop」
2、 Spread our love
ブラス隊が入ってきた瞬間、思わずクラッカーでも鳴らしたくなるような楽しい気分になれます。前曲からの高揚感を見事に受け継いで、さらに加速するポップ・ナンバー。
ハーフミュートのギターと、歌うようなパーカッションが嬉しくなります。
私、公樹さんのSAX大好きなんですが、近年テクニックは元より、音色それ自体にもますます磨きをかけて、素晴らしい、説得力のあるSAXを吹かれますよね。
ついつい鼻歌で追いかけたくなるような流麗なギターソロも聴き処の一つ。
私には、幸せの絶頂にいる二人を見る時、軽〜くやっかみつつもいつの間にかこちらまで幸せな気分になってくる、あの少しくすぐったいような、照れくさいような気分を思い起こされる曲です。
曲の世界の二人とはシチュエーションが違いますが、久し振りのデートの日、その朝にでも聴きたくなりそうです。で、「Step」
3、 太陽の下で
あっという間に体に染み込んで、ふと気付けばいつの間にか口ずさんでしまう、親しみやすく心地良いメロディーラインが印象的な曲ですね。80’Sという枠組を取っ払って考えてみても、いや、現代だから尚の事このメロディが気持ちよく、チャーミングに感じられるのではないでしょうか。
前曲同様、ブライトなペットが華やかに色を添えます。やはりこういった曲調はホーンの見せ場でしょうか。
アルバム全体を通していえる事ですが、このギターの芸の細やかさも、やはり飯塚さんがギターという楽器の美味しさを知り尽くしているからこそ出来る至芸なのでしょうね。一体どれだけの引出しがあるのでしょう。羨ましい…。
右でゲコゲコいっているキーボードや、リズム隊ももちろん素晴らしいですが、私はこの曲をより魅力的にしている、三谷さんご自身の手による歌う様なタンバリンがお気に入りだったりします。
お互いの気持ちは判りすぎるほど判っていて、でもまだ少しぎこちなくてもどかしい、これから恋愛の絶頂期を迎えるに違いない、幸せの予感、というより確信に満ちた曲ですね。「Jump!」
4、 しじま ―Silence of the night―
アルバム全体の印象を大きく左右する、導入三曲の三段跳びから緩やかに着地すれば、美しくも少し懐かしいシンセの音色で始る、esq 2007年第一弾(と、言っておきましょう)シングル。
その音色に絡むピアノと、ドラム、ベースが深みを、珍しく真中にいるギターが広がりを感じさせてくれます。
そして、まるで雲が切れ空が一瞬にひらけていくかの様なSAXソロ。
・・・・しびれます。きっと月も中天で美しく輝いている事でしょう。
「間」と言えば良いのか、「空間」と言うべきか。そういったもののアレンジも、esqの魅力のひとつだと思います。
日常の中の、でももしかしたらかけがえのない一時を歌った、シンプルながら熱く静かで、そしてとても力強い、珠玉の名バラード(この言い方、80’Sっぽくないですか?(笑))。
5、 Radio days 1972
Y女史によるテューバに先ず耳を奪われる、きっちりしていながらもラグっぽさに溢れたほんわかナンバー。こういうの、メチャメチャ好きだったりします。
左サイドのアコギも時折良い感じにラグっていて嬉しくなりますし、パーカッションも浮き立つ感じを上手く演出されてますよね。
太さんのフリューゲル・ホーンも、飄々とし過ぎず、素っ気無くもなく、良い感じに曲を引き締めていると思います。これが例えばミュートトランペットだったら、もっとコミカルな印象に傾いていて、まあそれも聴いてみたくはありますが、さて?(笑)
誰しもが多かれ少なかれ持っている、Radio&Record days。
私が音楽に目覚めた頃は、ラジオも勿論重要な情報源でしたが(実際今にして思えば、私が初めてスタレビの音を耳にしたのもラジオからでした)、貸しレコード屋が身の回りに続々と出来始めていて、小遣いのありったけを注ぎ込む事もしばしば。勿論小僧の身では会員にはなれず、お袋や兄貴の協力が必要でしたが。
兄貴が持っていた、ちょいとばかり上等のステレオで聴く為に部屋に忍び込み、見つかっては逆さに吊るされつつも幸せに音楽に浸っていられたのんきな頃。
慌しい毎日の中で、今はもうそんな時間もなかなか取れず淋しい限りですが、この曲はあの頃の気分をふと胸に蘇らせてくれる曲です。
6、 Mirage
ディストーションで歪ませた様なシンセの音から、これまたハードなギターが入ってきた瞬間、かつてのギター小僧としては「キタキタキター!!」とにやけてしまいますね。
今回のアルバム中、私が最もバンドライブを熱望する曲です(その節には、Timeless travelerとのメドレーで、なんて如何でしょう?)。
重いリフと攻撃的なソロが熱くさせる飯塚さんのギター(2回目のギターソロなど、導入部分ではどうしても弦を歯で弾いてる飯塚さんが頭に浮かんで仕方ありません。音、それっぽくないですか?)、時としてド派手に暴れる夏秋さんのドラム。バンドライブがもし実現したら、最高の見せ場でしょうね。是非ともバッキンバッキンにキメて(古っ(笑))いただきたいと、切に願います。
また、そんな各パートをどっしりと、そして悠然と支えるBARAさんの、5弦と思しいベースも聴き処ですね。
更に妄想は膨れ上がりますが、是非とも三谷さんには、キーボードで飯塚さんに勝負を挑んでいただきたいな、と。お二方のガチガチバトルが是非観たいです(笑)
曲が呼んだかの様な詞の世界観も、良い感じに抽象的でその気になればどこまでも深読みが出来ますね。私など勢い余って、サビの「I wanna live on〜」が、終盤「I wanna reborn〜」に変わってる、と何故か勝手に思い込み、文法はともかくとして(本当はbe動詞が必要、なんですって(笑))その歌詞世界に思いを馳せていましたが、後に歌詞を読んでみてもその様な言葉は一切現れず、あれ〜・・・・・?。良く考えれば「I wanna reborn〜」に「なんとしても 生き延びる」はつながりが悪いと気付きそうなものですが、私は早合点と思い込みのB型故、ま、仕方ないかと。良くやるんですよねえ、都合悪くなると血液型に逃げたり(笑)
閑話休題。
中学生の頃、洋楽の対訳詞を読んで?マークを頭の周りに山ほど飛ばした後、自分で必死に調べて元詞の裏側に隠された深い意味をボンヤリと悟ったあの感じを思い出します。
時折三谷さんが書かれるこういう世界観、私は好きですね。
いやあ、楽しみだなあ(ニヤニヤ)。
是非是非。
後編に続いちゃいます(笑)
掲示板さんに「10000文字以内にしなさい!」って怒られちゃいまして(笑)
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